Special

言葉・音楽・対話、日々の記録

01言伝 文・甫木元 空

2026年、冬は寒い。
毎年この寒さを当然のように忘れ、着ていく服を間違えて痛い目にあう。夏の暑さはここ数年、身体的な痛みのようなものとして記憶されているのか、脳裏にこべりついて離れない。 2025年も終わり昨年は、新曲を1曲も出さずに1年が過ぎていたことに驚きを覚える。なぜだ、覚えていない。 新年早々、「言伝」という新曲がリリースされた。TVアニメ『違国日記』のエンディング曲として書いた曲。人は誰しも、みな「違国」の住人であり、精神的な隔たりの中を生きている。それは、家族の喪失という共有できる体験においても同じ。人と人は、そもそも違う国、違う星に住む存在で、すれ違いながら生きている。この世界では、同じ家族であっても立場が違えば、まったく異なる景色が見える。基本的に同じ現象に巻き込まれても、その見え方は人それぞれだ。ただ、皆すれ違いながら表情や身振り手振り、気配など、さまざまな方法で触れ合うことはできる。言葉という、人と人とを繋げたり、時に突き放したりする道具を使いながら、不器用でも他者との関わりの中で、自分の生き方を見つけていく。「違国」の住人の物語を邪魔することなく、誰かと誰かが交わる「交差点」で、この曲が誰かを否定も肯定もせず、登場人物のひとりのように鳴ってくれたら嬉しい。 昨年は「旅」の一年だった。東京国際フォーラムでのライブからはじまり、さまざまなイベントにも呼んでいただき、海外ではイギリス、韓国、そして全国19ヵ所を巡る2人編成ツアー。その後の2+5と、移動を繰り返す修行のような年だった。 今年は、どんなことが起こるのだろうか。近頃、顎が痛い。 とりあえず半年、武道館公演まで、健康第一で歩めたら。

SONG INFORMATION
「言伝」
リリース日:2026年1月5日
配信リンク:
https://bialystocks.lnk.to/kotodute
TVアニメ『違国日記』
エンディングテーマ